第4戦目 皐月賞(G1)
弥生賞でのアドマイヤジャパンとの激闘から6週間、いよいよディープインパクトはG1の舞台に上がる。
当然、弥生賞2着のアドマイヤジャパンと3着のマイネルレコルトは、ここでの逆転優勝を虎視眈々と狙い、出走している。
それから、毎日杯(G3)を優勝しているローゼンクロイツやスプリングステークス(G2)を優勝しているダンスインザモアあたりもそこそこの人気を集めている。
しかし、やはりディープインパクトは断トツの単勝1番人気、オッズ1.3倍という支持率である。
前走の弥生賞は楽なレースではなかった。
大外を回っているディープインパクトは明らかに前を行く馬よりも長い距離を走っており、それでも勝っている実力は素晴らしい。
しかし、ギリギリのレースはやはり頭に残っている。
さて、どんなレースになるのだろうか。
ファンファーレが鳴り響く中、各馬、ゲートに入る。
2枠3番マイネルレコルト
7枠13番ローゼンクロイツ
8枠16番アドマイヤジャパン
8枠18番ダンスインザモア
そしてディープインパクトは武豊騎手を鞍上に、7枠14番に入る。
ゲートが開くとともに駆け出す各馬
そんな中ダッシュのつかない馬がいる。
7枠14番ディープインパクトだ。
2歩目を踏み出す際に体がよれて大きく後退したのだ。恐らく、つまづいたのだろう。
なんとか体制を持ち直し、後ろから2番手で第1コーナーに入り、第2コーナーから向こう正面に抜けていく。
先頭は3枠6番ビッグプラネット、2番手には新馬戦で対戦したコンゴウリキシオーが行く。
8枠16番アドマイヤジャパンは5番手、8枠18番ダンスインザモアは8番手、2枠3番マイネルレコルトは9番手、ローゼンクロイツは13番手あたりを駆けている。
残り1000mというところで大きな歓声が上がった。
7枠14番ディープインパクトがわずかにギアを上げたことによる歓声だ。
もはや、ディープインパクト以外の馬はアウェイ感を味わっているに違いない。
第3コーナーに入るころには、ディープインパクトは中団に位置していた。
そして第4コーナーを抜けて直線を向いたとき、先頭の2枠3番マイネルレコルトとの差はわずかであった。
ん?弥生賞の展開に似てる…?
弥生賞では並んでからが苦しかった。
息を吹き返したアドマイヤジャパンの強襲になんとか耐えて勝った。
しかし、1度それを経験したディープインパクトは確実に力を増している。
残り200mというところで、完全に抜け出して後続を突き放すディープインパクト。
強い、強い、強すぎる。
ディープインパクトの圧勝劇だ。
前走のクビ差とは異なり、2着馬に2馬身以上つけての楽勝である。
一方、その圧勝劇の裏側で、12番人気5枠10番シックスセンスが2着入り。
ディープインパクトの強さに触れたシックスセンスは、これを機に覚醒して強馬となる。
覚醒したシックスセンスはディープインパクトの連勝を食い止める馬となるのか、はたまた、ディープインパクトの花道を飾る馬となるのか。
ライバルの成長など頭にもないディープインパクトが、皐月賞をつかみ取った次に目指すのは、もちろん、日本ダービーだ。
次のページへ
コメント