プロフィール
馬名:トランセンド
生年月日:2006年3月9日
馬主:前田幸治
生産者:ノースヒルズマネジメント
調教師:安田隆行
血統
父:ワイルドラッシュ(カーターH、メトロポリタンH)
母:シネマスコープ
母父:トニービン(凱旋門賞)
競走成績
通算成績:24戦10勝[10-5-1-8]
獲得賞金:7億9614万円
主な勝鞍:ジャパンカップダート(2010,2011)、フェブラリーS、マイルCS南部杯
ストーリー
3歳(2009年)
トランセンドは2006年3月9日、誕生した。
2月14日、京都芝1800mでデビュー戦を迎える。調教タイムがかなり良かったため1番人気に推されるも、先行策も及ばず惜しくも2着と敗れてしまう。続く2戦目は中2週明けての出走登録となったが、フレグモーネのため出走取消となった。その後ダートに替わり未勝利戦へ出走すると、逃げの手に出て見事1着となり初勝利を飾った。続く500万下のレースでも逃げ、後ろを7馬身も離す圧勝劇で2連勝を飾り重賞への挑戦が始まる。
5月19日、2連勝したダートではなく芝の重賞京都芝2200m京都新聞杯(G2)で重賞初出走となる。しかし、先行策で競馬をするが、最後の直線では失速し9着と惨敗する。その後は2勝してるダート路線へ戻し、新潟ダート1800m麒麟山特別へ出走すると、先行策から当時のレコードタイムで他を圧倒し3勝目となった。さらに1ヶ月後の同舞台で行われたレパードSでも先行策からの競馬でスーニやシルクメビウスなどG1実績馬もいる中で、前走と同タイムの3馬身突き離す快勝で重賞制覇へ勢いをつけた。しかし、連勝した同舞台でのエルムS(G3)では惜しくも4着、舞台を変え東京ダート1600m武蔵野S(G3)ではペースについていけず6着と敗れこの年での重賞制覇とまではならなかったが4勝する活躍を見せた。
4歳(2010年)
3ヶ月の休養を挟んだ後の初戦は京都ダート1900mアルデバランSへ出走。いつもの先行策から最後の直線で前を捉え当時のレコードタイムでオープンクラスも勝ち取った。しかし、2ヶ月後の京都ダート1800mアンタレスS(G3)では単勝1倍台の圧倒的人気も8着と惨敗しまたしても重賞制覇を逃す。続く京都ダート1900m東海S(G2)へ出走すると、逃げの手に出てレースを進める。最後の直線でも粘りを図るが、ゴール手前で捉えられ惜しくも2着となりここでも重賞を勝ち切れなかった。夏の休養を経て、地方重賞船橋1800m日本テレビ盃(G2)へ出走すると、G1馬フリオーソやスマートファルコンがいる中で逃げの手を打つ。最後の直線でフリオーソにかわされるも重賞馬よりも先着する2着と好走する。
惜しい結果が続く中、京都ダート1800mみやこS(G3)へ出走。レースは近走同様逃げる展開となり最後の直線でも粘りを図ると、追ってくる後方勢をもろともせず逃げ切り見事重賞初制覇となった。
12月5日、重賞初制覇から1ヶ月後の阪神ダート1800mジャパンカップダート(G1)でG1初出走となる。人気は注目馬が回避したためG1初出走ながら1番人気となった。レースは好スタートからハナに立ち逃げの手に出る。3コーナーから徐々に馬群が詰まる中、マイペースで少しづつエンジンをかけていくと、最後の直線では一気に先行勢を離す。先行勢で唯一捉えにかかるバーディバーディとの叩き合いを制すと、強烈な追い込みを見せるグロリアスノアも抑え見事G1初出走での初制覇となった。
5歳(2011年)
2月20日、G1初制覇から約2ヶ月後にG1連勝を狙い東京ダート1600mフェブラリーS(G1)へ出走。人気はG1馬フリオーソや前哨戦である根岸Sを制したセイクリムズンを差し置いて1番人気となった。レースはいつものように逃げの手に出ると、3コーナーまでマイペースで逃げていく。3コーナーを過ぎると2番手マチカネニホンバレが並んで横一線で走る勝負に出るが、先頭は譲らず最後の直線へ。マチカネニホンバレを残り2ハロンで突き離すと、中団から抜け出したバーディバーディと後方外から抜け出したフリオーソが追ってくるが最後まで粘り何とG1を2連勝する快挙となった。
3月26日、G1 2連勝の結果を受け当時の優勝賞金最高額レースであるドバイワールドCへ日本馬ヴィクトワールピサ・ブエナビスタとともに出走。いつものように逃げの手を打つと、向こう正面で最後方だったヴィクトワールピサが2番手まで上がり2頭で並びレースを進める。4コーナーから一気にエンジンをかけると、2番手のヴィクトワールピサとともに後方を離していくと、ヴィクトワールピサにはかわされ日本勢初のドバイワールドC制覇を譲るも、半馬身差で粘り続け後方の追い込みを抑え2着と優秀な成績を収めた。
10月10日、夏の長期休養後、普段は盛岡競馬場で行われるだったが東日本大震災の影響でフェブラリーSと同じ舞台東京ダート1600mで行われることとなったマイルCS南部杯(G1)へ出走。人気はドバイでの結果も受け1番人気と圧倒的人気となった。レースはスタートと行き脚が悪く2番手で逃げるエスポワールシチーを追走する展開となる。逃げれなかった影響もあったか4コーナー手前からロングスパートに出る勝負に出ていくと、逃げるエスポワールシチーを中々捉えられずさらには後ろを走っていたダノンカモンにクビ差ほど前に離れてしまう。しかし、残り2ハロンを過ぎたところで2枚腰を使い盛り返していくと、逃げるエスポワールシチーを捉え、前に出たダノンカオスとの叩き合いを制しアタマ差で見事G1 3勝目を飾る。その後は、地方G1大井ダート2000mJBCクラシック(G1)へ出走するが、地方重賞を勝ちまくっているスマートファルコンに逃げ切られ惜しくも2着と敗れてしまう。
12月4日、連覇をかけて阪神ダート1800mジャパンカップダート(G1)へ出走。人気はここ最近の好走と前年度制覇していることもあり1番人気と推された。レースは大外から押して前に出てハナに立ちレースを引っ張るが、2番手についた2番人気エスポワールシチーにぴったりマークされる展開となる。4コーナーまで差は縮まらず最後の直線へ進むと、2番手エスポワールシチーに差を縮められることなく逆に少しずつ差を広げていき後方の追い込みもワンダーアキュートの2着までで最後は2馬身差で快勝し連覇を飾る。この年はG1 3勝を含む全てのレースで連対する活躍で最優秀ダートホースにも選ばれる素晴らしい一年となった。
6歳(2012年)
連覇をかけて東京ダート1600mフェブラリーS(G1)へ出走するが、最後の直線で失速してしまい圧倒的1番人気に応えられず7着と大敗。その後も昨年同様のドバイワールドC(G1)・JBCクラシック(G1)・ジャパンカップダート(G1)に出走するが、どれも1秒以上離される大敗続きで前年の活躍が嘘のような結果となる。年末の大井ダート2000m東京大賞典(G1)でも7着と敗れ、翌年明け早々に現役引退を決断し種牡馬になることとなった。
種牡馬(2013年~)
引退した年から種牡馬となると、2016年パシャとの仔ドリームアローが産駒初勝利を飾るが、産駒初年度出走の2016年は5勝と振るわなかった。その後も地方グレード競走は何度か制するが、中央での活躍は中々出てこなかった。しかし、2023年障害重賞ではあるがピシーズクイーンとの仔ジェミニキングが阪神障害3900m阪神スプリングJ(G2)で産駒初となる中央重賞制覇となった。今後もダートホースの活躍に期待がかかる。
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