第2戦目 若駒ステークス(OP)
2005年1月22日の京都競馬場第10レース2000m芝、圧巻の新馬戦から4週明けていざ、オープン戦へ。
新馬戦と同じく、4枠4番のゲートに向かうディープインパクトの鞍上には、本日も武豊。
7頭立てで構成されたこのレース、もちろんディープインパクトは1番人気だ。
そしてこの日の単勝オッズも1.1倍であったが、もはや驚かない。なって然るべきなのだ。
ファンファーレと日本中の注目を浴びながらゲートに入るディープインパクトは、少しイレ込んでいるようであった。
ゲートが開くとディープインパクトはゆっくり前進を始めた。デビュー戦と同じようなスタートであった。
大きな出遅れがなかった時点で、私はディープインパクトの勝利を疑いもしなかったが、緊張しながら見守ったことを覚えている。
6番人気ケイアイヘネシー、4番人気テイエムヒットベあたりが逃げる中、ディープインパクトはしんがりからのレースとなった。
第1コーナーに入り第2コーナーを抜ける頃には、逃げる2頭は大逃げの体制を取った。後続馬群に10馬身以上の差をつけている。
これは、ディープインパクトの末脚をもってしても届かないところまで逃げる作戦に違いない。
ディープインパクトの末脚は確かにすごい、しかし、新馬戦は好位展開でありしんがりからのレースをしたわけではない。
果たして届くのだろうか…。
向こう正面を走る中、その差はさらに開き、20馬身程ついていた。
第3コーナーに差しかかるところから、後続5頭は徐々にギアを上げ始めた。
しかし、残り400mのところで、まだディープインパクトは5番手あたりを走り、先頭から7、8馬身のところにいる。
このとき先頭を走るケイアイヘネシーだが、案外脚色が良い。
このまま行ってしまうか。
そう思った時、目を疑うほどの衝撃を受けた。
残り200mを切ってから一気に加速したディープインパクト。
追い越して止まることなくグングン伸びる。
ゴール板に到達するときには、2番手ケイアイヘネシーに5馬身差。
タイムは2:00.8、上がり3ハロンは33.6であった。
7馬身差をひっくり返すのに要した時間は実に5秒。
この末脚は余りに凄すぎる。
このレースの前年の若駒ステークスの勝馬は、ディープインパクトの全兄であるブラックタイド。
タイムは2:02.5、上がり3ハロンは34.3であった。
単純比較できるものではないが、ここには確実な差があるように感じた。
ディープインパクトはこれから先、どんなレースを見せてくれるのだろうか。
ますますワクワクしたことを今でも思い出す。
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